ドクトル…あなたに恋して良いですか?
「……はぁ」

溜め息を吐いたせあらは諦めたかのように少しずつ、ゆっくりと話し出した。

「まだまだ正直自分の気持ち解んないの。好きとは違うと思うし…」
「バイト先の人?」
「ちがう…」
「え?!まさかの知らない人?」
「…知らない訳じゃないけど…」

そう言い掛けた時、看護師が入ってきて茅乃の食器を下げていった。

「今日も茅乃ちゃん完食だね!」
「はい!」
「そっかそっか!成瀬先生にもちゃんと伝えとくね!」
「毎回言わなくても…」

クスクス笑いながら下膳していく看護師の背中に向かって"ありがとう"と伝える茅乃。その反面俯いたせあら。
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