ドクトル…あなたに恋して良いですか?
「恋…かぁ…好きなのかな…」

溜め息を吐きながら窓枠に凭れ突っ伏してしまった。

どうしたらいいのか…

伝えたい…?

でも口にしたら今以上に目が合わなくなるかもしれない…

名前を呼んでくれなくてもいい…

目まで合わなくなったら…そんなの苦しい…

そんな事ばかりを考えてしまっていたそんな矢先だ。ツーッと頬を一筋の涙が伝った。

「やだ…ッ…何で涙なんて…」

きゅっと擦るせあらは頭をフルフルと左右に振り涙をこらえた。

「言って良い事なんて…ないよ……」

そう呟いていた。それと同時に心なしか茅乃をとてもうらやましく感じていたのだった。
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