ドクトル…あなたに恋して良いですか?
その表情と空気感からなんだか茅乃は嬉しくなってクスクスと笑い出した。

「どうしました?」
「いえ、ごめんなさい。何でもないんです。ただ珍しいなって思って…」
「何が?」
「成瀬先生がセーラのこと聞いてきたって言うよりもそんな笑顔見せて笑ってたから。」
「そう…ですかね」

そう言うとすっと眼鏡を軽く押し上げてうつむき加減に背を向けて病室を後にした。
それから面会可能時間になりせあらもまた、いつも通りに茅乃の病室にやってきた。

コンコン
「茅乃ぉ?どう?」
「あ、セーラ!良い報告があるの!」
「何々?どうしたの?」
「実はね?」

そう茅乃は今朝の事を切り出した。
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