ドクトル…あなたに恋して良いですか?
時間も見る見る間にすぎていき、退室前チェックの時間になった。看護士が1人来て棚からいろんな引き出しまでくまなくチェックをして行き、忘れ物など無いかを最終チェックした。

「オッケィですね。じゃぁ決済明細表が事務の人から来たら退室になりますね。」
「あ、じゃぁ談話室で待ってても良いですか?」
「大丈夫ですよ?じゃぁそのように伝えますね」

そうして入院中の領収証を受け取るまで待っていた。しかし成瀬に渡したいと思っているものはまだまだせあらの手の中にあった。やはりイベントでも何でもないため渡しにくい…それが本当の、せあらの心底の本音でもあったのだ。
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