ドクトル…あなたに恋して良いですか?
「はい?」
「あの、これ。疲れた時のお茶のお供にでも…」
「あ。…ありがとうございます」

にこりと笑ってせあらの手から小さな袋を受け取った成瀬。その瞬間ふっと力が抜けたように肩から深呼吸して安堵の表情を浮かべたせあら。

「良かったぁ…」
「じゃぁ…気を付けて帰ってね?」
「はい。」

そう言いながら背中を見せて去っていった成瀬を見つめた2人。そんな時茅乃は後ろからせあらに声をかけた。

「セーラぁ?いいの?」
「うん。」
「言わなくて良かったの?」
「受け取って貰えただけで私嬉しいもん。」

そう伝えたせあらは優しく、柔らかい日差しのように笑っていた。
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