ドクトル…あなたに恋して良いですか?
そんな事を考えながらも僕は今日も回診に向かっていた。いつも通りに鈴木さんの病室に向かったもののやはり静かだ。
まぁ面会時間前だ。居るわけ無い。そう感じつつも戸を開けた。
何事もないように話をして、淡々とした回診を心がけた。

「そういえば…」
「え?」
「最近三宮さん見ないですね」

何聞いてんだ、僕は…

自分でも考えつかない位自然な流れで口を吐いていた。呆気に取られたような顔で鈴木さんは見てくる。そりゃそうだ。何自然に聞いてくるんだって話だ。

「セーラ?面会時間前に来てくれるんですけど時間前だからって律儀に待ってるんですよ。売店前にある椅子で。」
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