ドクトル…あなたに恋して良いですか?
たまの休日にもどうという事もないまま毎日が普通にすぎていく。それに加えて鈴木さんの退院の日にちが速まった。ドクトルとしては患者が退院することはとても嬉しいこと。この上ない幸せなことだった。他にもたくさんの患者がいる。とはいえあれだけ印象に残る患者…いや、患者の友人はそうはいない。嬉しいんだ。あれだけコロコロと嫌み無く笑う子と会えた事が。
しかし其れを口に出してしまってはドクトルとして禁忌を犯すのと等しいのだ。伝えてしまえば常に平等に接する必要がある、変わってきてしまう。それだけは避けなければならない事だった。そう考えてふと横を見れば張り紙が目を、足を止めた。
< 80 / 84 >

この作品をシェア

pagetop