アオゾラをカナデヨ


「ただいま〜」
「おかえり、ソウ」

家へ帰ると一平が来ていた。相変わらずのジャージ姿だ。

「どうだった?」

「うん、合格したよ!ピッコロ!」

私の結果を聞きに来てくれたようだ。

「そうか、よかった!」

自分のことのように喜ぶ一平とお母さんを見ていると、頑張ったかいがあったと思える。

いつもより賑やかで少し豪華な夕飯を食べた後、一平が持ってきてくれたシュークリームを食べながら部屋でくつろぐ2人。

「よかったな、あいつも一緒で」

「ああ、うん」

ほんと、よかったよ。

「香子は?その後どうなんだ?」

こぼれ落ちそうになるシュークリームのクリームを指ですくいながら、サラリと言う。

あれからオーディションやらで練習が忙しく、一平とゆっくりと話をすることもなかった。

私は香子が安斉くんに告白するらしいということを話した。
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