アオゾラをカナデヨ
「マジか……」

「ん〜」

ベッドの上でお気に入りの空色の肌掛けに顔をうずめる。オーディション合格のお祝いって言ってたから、近々その想いを伝えるのだろうか。

「おーい、大丈夫か?しっかりしろよ」

顔を埋めたままの私の頭をポンと叩く一平。

「オッケーしたら、どうしよう」

一平には、素直に弱音も吐ける。ううん、一平にしか言えないかも、こんな弱い言葉。

「オッケーするか?香子のこと避けてるんだろ?」

「んーそうみたいだけどね」

顔を上げるとそこにはいつもの笑顔。

「好き、なんだろ?」

「うん」

その返事は自分でも思っていたより力強く聞こえた。

「だったら自分の気持ちを信じるしかないじゃんか」

「うん」

一平の言う通りだ。どんな結果であれ、私はそれを受け止めるしかないんだ。今の時点でグズグズ悩んでいたって仕方がない。

「どっちにしろ私の気持ちは変わらないから」

「うん、そうだ!オレはソウを応援してるからな」

「あはは、ありがと」

一平と話すとなんだか自信が持てる。ついつい後向きになってしまう私と、いつもポジティブな一平。

香子のことは気になる。

安斉くんの気持ちは分からないけど、時々私にくれる優しいぬくもりを信じたい。
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