アオゾラをカナデヨ
♫
「まだ梅雨も明けてないのにサマーコンサートって……」
出番を待つ舞台袖。お互いの衣装のネクタイを直しあいながら麻美が呟いた。
「あはは、ほんとだね」
外は雨が降っているのだろうか。
雨が嫌いな私には苦手な季節だ。でも、コンクールの頃には梅雨も明け夏らしい空になっているだろう。そんなアオゾラを意識して、舞台へと上がる。
今日のコンサートは、いわばコンクールの練習のような演奏会だ。近隣の中高校が集まって、それぞれコンクールで演奏する曲を披露する。
ホールでの練習にもなるし、他の学校の演奏を聴けるいい機会だ。
「さ、行くぞ」
いつの間にか横にいた安斉くんが、舞台を見つめたままで呟いた。
いつでも一生懸命で真剣な、その姿勢が好きだ。
「うん、タイヨウの音、期待してるよ」
私の言葉に、振り返って笑顔を見せてくれる。
ドキッ!反則だよ、本番前にその笑顔は。
それでも私は、演奏への気持ちが高まるのを感じる。
学校紹介のアナウンスを聞きながら舞台へと上がる。
「まだ梅雨も明けてないのにサマーコンサートって……」
出番を待つ舞台袖。お互いの衣装のネクタイを直しあいながら麻美が呟いた。
「あはは、ほんとだね」
外は雨が降っているのだろうか。
雨が嫌いな私には苦手な季節だ。でも、コンクールの頃には梅雨も明け夏らしい空になっているだろう。そんなアオゾラを意識して、舞台へと上がる。
今日のコンサートは、いわばコンクールの練習のような演奏会だ。近隣の中高校が集まって、それぞれコンクールで演奏する曲を披露する。
ホールでの練習にもなるし、他の学校の演奏を聴けるいい機会だ。
「さ、行くぞ」
いつの間にか横にいた安斉くんが、舞台を見つめたままで呟いた。
いつでも一生懸命で真剣な、その姿勢が好きだ。
「うん、タイヨウの音、期待してるよ」
私の言葉に、振り返って笑顔を見せてくれる。
ドキッ!反則だよ、本番前にその笑顔は。
それでも私は、演奏への気持ちが高まるのを感じる。
学校紹介のアナウンスを聞きながら舞台へと上がる。