アオゾラをカナデヨ
「えっ?そうなの?」

麻美も興味津々の様子だ。

「うん、あっさりフラれたらしいよ」
「へ?」

フラれた?まさか?
だって今日も、あんなに楽しそうにずっと一緒にいたのに。

「なんか、中学の時から片思いの子がいるんだって」

中学からの、片思い?

「へぇ、そうなの?なんだ、私てっきりソウの事が好きなのかと思ってた」

「え?私?」

ちょっと麻美、なに言ってるの?

「だって、なんかオーディションの時に助けてくれた、とか。こないだは譜面台持ってくれたりさ。絶対ソウに気があると思う」

「ふふ、だよね。よかったねソウ」

実梨の言葉にみんなが驚く。

実梨以外にはまだ話してなかったから。

「ソウ、安斉くんが好きだったの?」

「うん、実は……ごめんね。言えなくて」

「そうかぁ。まあ、私には言いにくいか」

莉子が首を大きく動かしてうなずく。

「そりゃね」
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