アオゾラをカナデヨ
「私は、ソウが安斉くんのことが好きなら、香子に遠慮することなんてないと思うよ」

「うん、そうだよ」

麻美も実梨も少し大きな声を出す。真剣に考えてくれているのが分かり、嬉しくなる。

「……でも今日も、なんか睨まれた」

あの時の視線は、完全に私を見ていた。

「えーなにそれ？なんでソウが睨まれるの？」

麻美の言う通りだよ。話しかけてきたの、安斉くんの方なのに。

「ごめんね、ソウ。香子は本当に好きになると一直線だから」

莉子が私に向かって拝むように謝る。

「いやいや、そりゃ好きだったら私に腹立つの分かるし、莉子が謝ることじゃないよ」

気にならないといえば嘘になるけど、莉子の前で香子を悪く言うのはよくない。ちょっと言いすぎちゃったかな。
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