アオゾラをカナデヨ
「これから雨の日はさ、オレが一緒にいてやるよ。まあ、役に立つかわかんないけど」

安斉くん……?

「ん。ありがとう、でも……」

「もしかして、香子のことか?」

「ああ、うん」

やっぱり鋭いな。私の気持ちを、手に取るように分かってくれる。

一緒にいて、心地よいはずだ。

「だよな」

「告白、断わったんだって?」

2人きりだと、素直になれる。素直に聞ける。

「うん。でも、諦めないから!て言われた」

ふぅ、とため息をついて安斉くんが言う。

「香子らしい」

「いい子だし、話す分には楽しいんだけどさ、ちょっと強引っていうか……付いていけない」

「あはは、分かる」

そう、いい子だから安斉くんも邪険にできないんだろう。そんな優しいところが好きなんだけど。
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