アオゾラをカナデヨ
「付きまとってなんかない……」

「ユウタくんが好きなのは、ソウじゃない。北海道の子なんだよ!」

「……」

私の言葉を遮った香子の言葉は、私の曇った心に突き刺さる。

分かってるよ。だから私もあと一歩が踏み出せないんだよ。

「とにかく、出しゃばんないでって言ってんの!」

そう捨てゼリフを残して、香子は足早に去って行ってしまった。

そうか……結局言いたいのはそれか。

仲良しかもしれないけど、安斉くんの好きな子は、私じゃない。だから出しゃばるな。

そりゃそうだよね。

緊張していた全身の力が抜け、思わず椅子に腰掛ける。

気づけばもう日は傾き、カーテン越しに夕焼けのオレンジ色が光る。

そういえば、今日はいい天気だったな。

『出しゃばんないで』

どこまで香子に気を使わないといけないの?
これじゃあ、まともに安斉くんと話すこともできないよ。
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