アオゾラをカナデヨ
深く、深呼吸をして気持ちを落ち着かせる。

「なんか言われたのか?」

「安斉くんと付き合ってるの?とか」

今度は安斉くんがため息を吐いて私を見つめる。

心配してくれる気持ちは本当に嬉しい。でも、香子が言うように安斉くんの好きな人が別にいるのならば、私は安斉くんに甘えるべきではない。

「うん。あとは?」

「…………」

本当は、甘えたい。今すぐにその胸に飛び込んでいけたら、どんなにラクか。

「ちゃんと話せよ」

無言で横に首を振る私を、納得いかない表情で見つめる安斉くん。

もし安斉くんの好きな人が私だとしても、やっぱり今甘えるのは違うと思う。たぶん、香子だって私と同じくらいツライはずだ。
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