アオゾラをカナデヨ
周りから様々な音色が聞こえてくる。まだ音出しなのでバラバラだが、耳障りではないのが不思議だ。

集中して耳を傾ければ各人の音と分かる。

顧問の野沢先生がいつも言っているのは自分の音のイメージを持って演奏する、ということ。

曲やフレーズのイメージはもちろんだが、その基盤となるのは個々の音だ。その色々なイメージの音が集まって広がって……一つの音楽としてまとまるのが演奏だ。

私は、いつも大好きな空をイメージして吹いている。曇り空を吹き散らすような、爽やかなアオゾラを。

明るい曲の時には、真っ青な空。
静かな曲の時には、夕暮れが近い空。
激しい曲の時には雷雨になったりもするけれど。

基本は、空だ。

自分の音を客観的に聴くことは難しいので、他の人にどう聴こえているかは分からないけれど。

自分の音に自信を持つこと、それが第一歩だと考えている。
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