アオゾラをカナデヨ
練習を終えて家に帰りお風呂に入った後、ベッドの上にで手と腕のマッサージをしていた。コンクール前はこれをしないと長い時間演奏するのが辛くなってしまう。もう長年の習慣になっいた。

〜♪〜♪

するとカバンの中からスマホが鳴る音が微かに聞こえてくる。

急いでベッドから降り、スマホの画面を見ると。

うそ、安斉くん⁈

「もしもし」

心臓が、トクンと音を立てる。

「もしもし、ソウ?今大丈夫か?」

耳に心地よく届く安斉くんの柔らかな低い声。

「うん、大丈夫」

考えてみれば電話で話をするのは初めてだな。

「今何してた?」

まるでカップルのような会話に、胸の高まりが止まらない。

「腕のマッサージしてた」

「あはは、そうか。オレももう風呂入って寝るところ」

部屋でくつろぐ安斉くんを想像してしまう。ああ、今すぐそばに行きたい。
< 144 / 191 >

この作品をシェア

pagetop