アオゾラをカナデヨ
「では、全国大会への推薦が決まった学校を発表します。」

みんなで、手を握り合いながら祈る……後はもう、祈ることしかできなかった。

安斉くんは、私より少し前の席でトロンボーンの男子の隣。肩に力が入っているのが、ここから見ても分かる。

「プログラムナンバー18、⚪︎⚪︎高等学校」

一際、大きなどよめきと歓声が上がる。会場中が、独特な雰囲気に包まれる。

「プログラムナンバー26、⚪︎⚪︎高等学校」

どの学校も、全国大会を目指して同じくらい厳しい練習をしてきたはずだ。どの高校が選ばれてもおかしくはない。


「プログラムナンバー30、青葉大学附属第一高等学校」


「……」

周りが一瞬静まり返る。

右にいる麻美、左の実梨。交互に2人と顔を見合わせた瞬間、周りから歓喜の声が上がる。

「やった!やったよ、ソウ!」

「うん……」

声も出てこなかった。ただただ、涙が溢れてきていた。

「うっそ……」

隣の麻美の声も涙声だ。

まさか、まさか……私たちが全国大会に?

安斉くんは隣の男子と肩を抱き合って笑顔を見せている。

その瞬間を切り取って額に入れておきたいくらいのシーンだ。
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