アオゾラをカナデヨ
「いや、いいよ。オレももう帰るところだから」
優しく低い声が、誰もいない部室と私の心に響く。あのチビ発言の時の声とはまるで違う声と表情に戸惑ってしまう。
初めてのちゃんとした会話、初めての2人きり。
「ん、そうか。ならよかった」
私の言葉を聞いてから安斉くんはトランペットを片付け始めた。
もう少し、安斉くんの音聞いていたかったな。
「ソウも家で練習すんの?」
楽器ケースから目を離さずに私に聞いてくる。
「うん」
つい、彼の柔らかく動く細く長い指を見つめてしまう。
ソウも、ということは安斉くんも楽器を持って帰るつもりなのだろう。
「安斉くんのトランペットちゃんと聴いたの初めて。なんか……太陽みたい、キラキラしてる」
なんでだろう、素直な気持ちが自然に口に出た。こんなことを言うつもりはなかったのに。
優しく低い声が、誰もいない部室と私の心に響く。あのチビ発言の時の声とはまるで違う声と表情に戸惑ってしまう。
初めてのちゃんとした会話、初めての2人きり。
「ん、そうか。ならよかった」
私の言葉を聞いてから安斉くんはトランペットを片付け始めた。
もう少し、安斉くんの音聞いていたかったな。
「ソウも家で練習すんの?」
楽器ケースから目を離さずに私に聞いてくる。
「うん」
つい、彼の柔らかく動く細く長い指を見つめてしまう。
ソウも、ということは安斉くんも楽器を持って帰るつもりなのだろう。
「安斉くんのトランペットちゃんと聴いたの初めて。なんか……太陽みたい、キラキラしてる」
なんでだろう、素直な気持ちが自然に口に出た。こんなことを言うつもりはなかったのに。