アオゾラをカナデヨ
「じゃな、ソウ」
反対方向の電車に乗ると言っていた一平が、さっと私に向かっていつもみたいに手を上げて足早にホームへと向かう。
「ああ、うん」
張り切っちゃって……。
一平には、最近彼女ができた。
同じ高校の同級生。
春休み真っ只中の今日は、珍しく部活が休みらしく朝からデートなんだそうだ。私服も、私と会う時のヨレヨレジャージじゃなく、ちゃんとブルーグレーのシャツなんか着てる。まあ、なかなか似合っているとは思うけど。
その少しくすんだ青空のような後ろ姿は、もちろん振り返ることもなく。そして私が彼を見つめ続けることもなかった。
私と一平は小さい時からずっと一緒。同じマンション、もちろん親同士も仲良し。
そう、絵に描いたような幼なじみだ。お互いの家にもよくお邪魔するし、気を使うこともない。
一人っ子の2人は、まるで兄弟のように育ってきた。
反対方向の電車に乗ると言っていた一平が、さっと私に向かっていつもみたいに手を上げて足早にホームへと向かう。
「ああ、うん」
張り切っちゃって……。
一平には、最近彼女ができた。
同じ高校の同級生。
春休み真っ只中の今日は、珍しく部活が休みらしく朝からデートなんだそうだ。私服も、私と会う時のヨレヨレジャージじゃなく、ちゃんとブルーグレーのシャツなんか着てる。まあ、なかなか似合っているとは思うけど。
その少しくすんだ青空のような後ろ姿は、もちろん振り返ることもなく。そして私が彼を見つめ続けることもなかった。
私と一平は小さい時からずっと一緒。同じマンション、もちろん親同士も仲良し。
そう、絵に描いたような幼なじみだ。お互いの家にもよくお邪魔するし、気を使うこともない。
一人っ子の2人は、まるで兄弟のように育ってきた。