アオゾラをカナデヨ
「えーっ?やめてよ!」

「あはは、ごめん。莉子は大丈夫だよ」

そう言いながら私も紙パックのジュースを一口。食事後の甘いものはやっぱり必要だよね。心も落ち着く気がする。


「そういえば安斉くんに、転校してきた初日にソウの名前聞かれたんだよね」

急に思い出したように莉子が言った。

「え?そうなの?」

麻美が驚いた様子で莉子に顔を向ける。

え?なんで?私の名前なんて……。

「うん。あのピッコロの子なんて名前?て」

「ああ、転校してくる前に私たち安斉くんに会ったんだよね、ソウ」

そうサラリと答えたのは実梨だ。

「あ、うん。駅でね……私チビって言われた」

そう、それだよ。あの時助けたチビが偶然同じ学校、同じ部活だったっていう。ただ、それだけ。
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