アオゾラをカナデヨ
でも一平を恋愛対象として見たことはない。

記憶に残っていない頃から、気づけば一緒に遊び、一緒にご飯を食べ、一緒にお風呂に入っていた。いや、さすがに今は一緒にお風呂はないけど。

ただ、彼以上に一緒にいて心安らげる頼れる男子はいない……そう感じてなかなか他の人との恋愛に踏み切れないでいた。

ううん、一平のせいにしているだけで本当は私が恋に臆病なだけなのかもしれない。


一緒にいすぎたのかも、しれないなーー。


そんな一平に彼女ができた時「先を越された」一番最初にそう思った。

彼の方が先に、本当に自然に一歩前へ、踏み出した。

その後から兄を取られたような、弟を心配するような、複雑なキブンにもなった。

それからの私たちの関係だって今までと何も変わらないし、もちろん私は2人が上手くいけばいいと思っている。


それが二人にとって自然だったーー。
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