アオゾラをカナデヨ
「おばちゃん!ごめんね、一平が……」

そう言うのが精一杯だった。

「ううん大丈夫。怖かったでしょう、ソウちゃん」

いつもの優しい、暖かい声に涙が止まらない。自分の息子が事故に遭ったというのに、私のことを気遣ってくれる。

一平の優しさはこのおばちゃんからきてるんだな、なんて改めて思う。

「一平、今治療してて。おばちゃん行ってあげて」

「うん、ありがとうね」

おばちゃんが治療室へと入って行くとお母さんは隣に座って私の濡れた髪を拭いてくれる。

「ソウに怪我がなくてよかったわ」

お母さんはそう言うけど。

「っく……でもっ」

「いっちゃんは大丈夫よ」

濡れたのと、ショックで寒気がとまらない。

だって……一平は私を助けて事故に。
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