アオゾラをカナデヨ


一平の事故の翌日から、私は熱を出して寝込んでしまっていた。

今日はスプリングコンサートだったのに、みんなに迷惑をかけてしまったな。
お母さんは朝から仕事に行ってしまったし、気持ちも身体も重たくて1人でずっとベッドで寝ている。

一平は事故の翌日無事に退院し、もう学校にも行っているらしい。たくましいな。
それに比べて私は、なんて情けないんだろう。


ヒヤリーー

急におでこに冷たい感触があり目を開けると。

「……ん?一平?」

いつの間にか一平が部屋にいて、私のおでこに手をあてていた。

「あ、ごめん起こした?」

左腕のギプスが痛々しい。

「ううん、どうしたの?」

「ソウのお母さん、仕事遅くなるから様子見て来てってさ」

なんで私が心配されてるんだ。
しかも一平に様子見て来て、と頼むなんてどうかしてる。

「ん、そうか、ありがとね」

大会に出られなかった一平は悔しいはずだ、でも笑顔で笑い飛ばしてくれ、私を安心させてくれた。

何やってるんだろ、私ーー。
< 50 / 191 >

この作品をシェア

pagetop