アオゾラをカナデヨ
「あ、そうだ!私今日一平と約束してるんだった。」

急に思い出し、席を立つ。

「うん、またね、ソウ!」

まだ落ち着かない気持ちを抱えながら教室を出る。

なんだかなぁ。

テストのことや、安斉くん、と莉子のことで頭がグルグルしてる状態で一平の家へ向かう。

ーーピンポーン♪

「はーい」

ドア越しに一平の声が聞こえる。

「お邪魔しま〜す」

慣れた手つきで部屋へ入ると、そこには一平と見慣れない女の子がいた。

やだ、可愛い……!

もしかして、噂の純夏ちゃん?

「ソウ!こいつ、純夏」

「あ、初めまして……」

「あ、うん。ソウです」

純夏ちゃんは一平の彼女。一緒なら先に教えといてよ、心の準備が……てなんで私が緊張してるんだ?

「純夏も音楽苦手でさ、一緒に教えてよ」

「うん!もちろん」

「ありがとう」

ニコッと笑う笑顔がまた可愛い。
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