アオゾラをカナデヨ
「一平の彼女がこんなに可愛いなんて、衝撃だわ」

あ、思わず心の声が。

「なんだよそれ」
「あはは!」

私の唯一の得意科目、音楽のテストがある時には、必ず呼び出される。

とは言っても、過去問を一緒に解くくらいしかできないけれど。

そのかわり、一平が得意な数学を教えてもらう。

「一平、腕はどう?」
「うん、もうほとんど元通りだよ」
「そか、よかった」

ギプスも取れ、身軽になった腕を振ってみせる。

「いつも一平から純夏ちゃんのことは聞いてるよ」

「え?何か変なこと話してないでしょうね、一平⁈」

「は?変なことってなんだよ」

このやり取りだけで、一平がちょっと尻に敷かれてることが分かってしまう。

「はは、ノロケ話しだよ。純夏ちゃんと今日はお茶したんだ〜とか」

「そっか。ならいいけど」

見た目はすごく女の子っぽいけど、話しやすいサバサバしたコだな。

一平には合ってるかも。
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