アオゾラをカナデヨ
「は?そんなの純夏が気にするわけないじゃん」

「一平には聞いてない」

「あはは、うん。そうだなぁ……」

純夏ちゃんはノートに書く手を止め、ゆっくりと話し始めた。

「正直言うと、始めはちょっと気になったりしたかな」

「ああ、うん」

そりゃ、そうだよね。私だって、一応女子だし。

「でも、一平から聞くソウちゃんの話しとか、その話し方を聞いてたら、なんか気にならなくなってきたよ」

「え?」

一平、そんなに私のこと話してるのか?

「今日はソウの家でメシを食う、とかね。いいな、とは思うけど。嫉妬みたいな気持ちはないなぁ」

なんて正直な子なんだろう。

大きな目をクルクルとさせながら、ウソはない、そう感じられるような口調で。

「そっか、なら良かった。また今度純夏ちゃんも一緒にご飯食べに来なよ」

「ほんと?いいの?」

「おう!もちろんだぜ」

「いや、それ一平のセリフじゃないから」

「あはは」
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