アオゾラをカナデヨ
ホッとした。

一平の彼女が、こんないい子でよかった。彼氏でも兄弟でもないけれど、私にとって一平はやっぱり大切な存在だから。

「もし何か気になることがあったら言ってね」
「うん、ありがとう」

そう言って微笑む純夏ちゃんは、一平にはもったいないと思うくらいだった。

「そうだ、あの転校生とはどうなんだ?」
「えっ⁇」

急に話題を変えるから一瞬何のことか分からなかった。

一平には少しずつ、安斉くんのことを話している。というか、一平にしか話していない。まあ、聞いてもらってるだけだけど。

「進展なしか?」
「……」

ああ、そうだった。思い出しちゃったよ。進展も何もないんだよ。

「ん?どうかしたか?」

二人に安斉くんとのこと、今日聞いた香子のことを簡単に話す。
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