アオゾラをカナデヨ
「香子ってさ、あの双子の子だろ?」
「あ、うんそう」

同じ中学だから一平も香子のことはよく知っている。香子は目立つ方だったから、印象にも残っているだろう。

「どんな子?」

純夏ちゃんも興味津々だ。

「うーん……なんていうか。積極的なタイプの子」

「ライバルとしては、なかなか手強いな」

一平が痛い所をつく。

「ん〜、そうなんだ」

「どうしよう……どうしたらいいんだろ?」

どうするも何もない。今日聞いたばかりで、まだ心の整理もついていない状態だ。

「どうしようって。諦めんの?」

ちょっと呆れたような一平の声。

諦める?まだこの気持ちに気づいたばかりなのに?

「いや、そんな……」

そんな簡単に言わないでよ。
諦める、なんて考えてもなかったよ。
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