アオゾラをカナデヨ
「ね、連絡先交換しよ」

純夏ちゃんがスマホを取り出しながら言う。

「うん、いいよ」

「一平が悪さしたら報告して」

悪戯な表情を見せる。

「え⁈なんだよそれ⁈オレ、悪さなんてしないし!」

「あはは、了解」

「だから、何もしないって!」

ムキになる一平を2人でからかう。

いい関係だな、これからも2人には仲良くしていてもらいたい。私が気を使うこともなさそうだけど、これから一平と会う時には純夏ちゃんも誘ってみようと思う。

「……でもさ、ソウの恋の悩みを聞けるなんてなぁ」

しみじみと呟く一平。

「え?なによそれ」

私だって、恋の一つくらいしますよ。

「嬉しいって言ってんの!」

私の肩を肘で突きながら、少し照れた顔をみせる。

「うん、話し聞いてくれてありがとうね」
「おう」

いつか、4人でダブルデート、なんてできたらいいな。

チラチラと頭に浮かんでくる香子の顔には気づかないフリをして。私はまた教科書に目を落とした。
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