アオゾラをカナデヨ
「どうした?元気ないな、腹でも壊したか?」

「いや、何ともないよ。天気悪いからかな」

「そんなに雨嫌いか?」

「えーうん、まあ」

うう。相変わらず鋭いな、話題を変えよう。

「そういえば、安斉くんってどこの学部希望?」

「オレ?今のところ、工学部かな」

「工学部か。トランペットは続けるよね?」

安斉くんのトランペットが聴けなくなのはイヤだ。

「うん、なんらかの形では続けるよ」
「そっか、よかった」

思わず笑顔で安斉くんを見つめる。

ーーやっぱり太陽だ。

私を自然と笑顔にさせる不思議な力。恋の力?

「うん。ソウは音楽科だろ?」

「うん、音楽しかできないからね」

「だな」

「えっ?」

ちょっと、私の自虐を肯定しないでよ。

「あはは、冗談だよ」

もう、相変わらずだな。
< 75 / 191 >

この作品をシェア

pagetop