アオゾラをカナデヨ
「……ユウタくんっ!」

息を切らして後ろから声をかけて来たのは香子だった。

「か、香子!今帰り?」

ちょっと、なんでこんな時に?なんてタイミング?
香子はきょもゆるく巻いた髪と薄いメイクがキマッている。隣にいる私は小学生のように見えるだろう。

「おう、もう勉強終わりか?」

「うん、ユウタくんも?」

「腹へったから、帰る」

一緒に教室で勉強していたのかな。

帰る安斉くんを、きっと追いかけて来たのだろう。私、もしかしてお邪魔?いやいや、安斉くんの隣は譲れないぞ。

無意識にカバンを持つ手に力が入る。

隣を歩く安斉くんを見ても、表情一つ変えていない、そりゃそうか。

私のことなど気にも留めていない様子の香子は、サッと私と安斉くんの間に入り込み歩き始めた。

な、なによ⁈感じ悪い。
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