アオゾラをカナデヨ
「今日の数学の時間、笑ったね〜!」

「ああ、あれね」

「あの時さぁ〜」

意図したかのように、私の分からない話題を振る香子。まさか、私が安斉くんを好きだなんて気づいてるワケはないけど、仲間外れにされているようで癪に触る。

安斉くんとの距離が遠くに感じる。

急いでるフリして先に帰ろうかな……でも、香子と安斉くんを2人きりにはさせたくない。
頭はフル回転していたが、完全にカラカラ空回りだった。


「……ソウ!」

2人の会話は一区切りしたのか、急に安斉くんが私に話しかけてきた。

「はいっ?」

驚いたあまり、声が上ずっているのが分かる。

好きな人相手にこんなに普通に話せる香子が羨ましい。

チラリと横目で私を見る香子が気になって仕方がない。
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