アオゾラをカナデヨ
香子と安斉くんのやりとりが続く中、駅に着いた。

「あ、私今日ピアノのレッスンだから反対方向、行くね」

「ああ、またな!」

大好きな笑顔を見せ、手を振ってくれる。

ーードキドキ

「バイバーイ」

ちょっとトゲのあるように感じる香子の声も聞こえる。

背中に2人の視線を感じながら、改札を通る。

どうしよう……何で私をこんなにドキドキさせるんだろう。

優しい言葉や、ドキッとする言葉、きゅんとさせる笑顔。

それは、私が彼を好きだからだ。

でも、ただそれだけじゃない気がする。


『じゃあ、オレも行こっかな』


香子の前で言ったことに意味があるのか。今の私には分からない。

どんどん私の中の安斉くんが大きくなっていく。

香子ごめん、もう後戻りできないよ。
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