アオゾラをカナデヨ
「これ、この長文。訳して」
「英語?これ何の問題?」

そっか、英語は苦手なんだな。

「一昨年の過去問、答えないんだよ」
「一昨年のか……私も持ってないや」

仕方なく訳し始める。
安斉くんが私のペンを持つ手を見つめているのを感じて、緊張が増す。

それほど難しい英文ではなかったので3回ほど辞書を引いて英訳できた。

英語、頑張っててよかったな。

「お、サンキュー!さすがだな」

「問題は自分で解きなよ」

「分かってるって。また答え合わせ宜しく」

本当は、もう少しここに座っていたかった。タイヨウの笑顔の隣にいたかった。それでも安斉くんの役にたてたことに満足し、席を立つ。

「じゃね」
「おう!」
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