アオゾラをカナデヨ
「分かった分かった。また香子が被害妄想にはしってるのかも……。あの子、好きになったらとことん!だからね」

「ああ、うん。そっか」

何だか面倒なことになってきちゃったな。

「あの様子じゃ、香子の気持ちにもきっと気づいてるよ、安斉くん」

「え?そうなの?」

「いつもの感じでアピールしまくりらしいよ」

ああ、確かに。昨日もあからさまだったな。だから安斉くんも私にあんな言い方したんだ。ほんのすこしだけ期待してしまった自分が恥ずかしくなる。私がいるから、じゃなくて香子を避けたかったんだ。

「気をつけてね、ソウ」
「え?」

「香子、知ってると思うけど。かなり強引で一直線だから」

うう……だよね。

「私、目を付けられてるよね」

「……まあ、私からも言っとくから、大丈夫だよ」

「うん、ありがとう」
< 84 / 191 >

この作品をシェア

pagetop