アオゾラをカナデヨ
大丈夫だよ、と莉子は言ったけど。

大丈夫じゃないよね?

もし香子が、私が安斉くんのことを好きだと知ったら、そりゃあ穏やかじゃないだろう。何を言われるか分からない。

莉子と香子は双子だから、似ているところもある。でも恋に関しては全く違う。

莉子も私よりは積極的だが、香子ほどではない。いや、香子ほど見境なく一直線なのも珍しいくらいだ。

いい子なんだけどな……。

好きになると、きっと夢中になって周りが見えなくなってしまうのだろう。

そんな子が、恋のライバル?

はぁ、先が思いやられる。
こんなんじゃ、友だちにも相談できないよ。

「ソウ!できたから答え合わせして」

安斉くん、今度は席に座ったまま、私に顔を向けている。

「はーい、今行く」

私だって、きっと香子と同じくらい安斉くんのことが好きだ。もう、この気持ちは変えられない。

安斉くんのそばに、いたい。

でも……。
< 85 / 191 >

この作品をシェア

pagetop