アオゾラをカナデヨ
放課後の食堂は昼休みと違ってガランとしていて、やたら広く感じる。

2人で飲み物を買い、向かい合って座る。実梨とは、楽器のパートは違うけど1年生の時に同じクラスだったこともあり気が合う友達の一人だ。

「いよいよだね」

実梨の一言からも緊張感を感じ取れる。

「うん……」
「……」

黙り込んでしまった実梨の顔を見ていたら目が合ってしまい、お互いフッと笑いが溢れる。

「ふふ、もう後は祈るだけかな」

「ん、だね」

いつもの場所、いつものカフェオレ、いつもの友達の笑顔。こんな時間が、私の元気になる。

「そういえばさ、香子、安斉くんに告白するらしいよ。まあ、今更だけど」

「へっ⁈」

飲んでいたカフェオレが喉に詰まりそうになり慌てて咳をする。

「ちょっと大丈夫?」

「ああ、うん。確かに今更だよね」
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