アオゾラをカナデヨ
「とにかく、私が今しゃしゃり出るわけにはいかないし、見守るしかないよ」

「そんなに気を使うこともないと思うけどな。好きなんでしょう?」

「うん……でも」

香子に知られたらきっと大ごとになるだろうし、そうなったら安斉くんに迷惑がかかるかもしれないし。

「まあ、ソウらしいけど」

「え?そうかな」

私らしいって、どんなんだろ。

「とにかく、私はソウを応援する!」

「ありがとう! あ、でもまだ莉子には言わないでね。また時期を見て私から話すから」

「そうだね、了解」

やっぱり話してよかったかも。1人でも、この私の気持ちを理解してくれている人がいる。それだけでも心強い。

「さ、戻らないと。合奏の時間だよ」

「うん」

ありがとう、実梨。
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