私、普通の女の子じゃないの。
暗闇のはじまり
本来の姿
初めは「普通の女の子」だった。
いや、ちょっとマイペースで夢見がちだったけど、それでも確かに「普通の女の子」だった。
彼女の名前は、会沢 美里 (アイザワ ミノリ)。
今は大学生三年生。21歳だ。
彼女はいつも笑顔で、誰にでも優しい。誰もが「美里の長所は?」なんて聞かれたら「優しい!」って100%答えるだろう。むしろそう答えない人は絶対にいない。それぐらい家族や友達、ましてや知らない人にまで、、彼女はどんな人でもとことん大事にするタイプなのだ。
彼女の見た目は、身長152㎝の小柄。体型は細身で肌は白。顔はモデルさんのように絶賛の美女とは言えないが、笑うと可愛い系で、よく見ると綺麗系。その容姿から、よく大人しく見られがちだが、実は面白い事が大好きでおふざけもするやんちゃな子であったりもする。
彼女の休日の過ごし方といえば、昼までずっと寝ているか、友達とカフェやらカラオケやらでザ・女子大生を満喫している。ちゃんと趣味も持っていて、絵を描き、音楽を聞き、美術館へと足を運ぶ日々だ。
ここまで聞いて、至って普通。全然普通の女の子だ。一体何が違うっていうのか。
私も彼女から告白されるまでは気付かなかった。いや、気付けなかった。それは彼女の優しさによって封じ込まれ、誰もが気付くことが出来ない。しかし、彼女はいつだって助けを求め苦しんでいた。一人で悩み、一人で闘い続けた。自分が「普通の女の子」ではなくなってしまったこと、暗闇から抜け出せないことを。