恋文
嘘つきと恋文
僕はいつものようにノックする。
彼女は心地の良い返事をする。
僕はそれを合図とし、ドアを開ける。

「今日も来てくれたんだね」

彼女は嬉しそうに笑う。
だけど彼女がこんな風に笑うのは、僕が来たからではなく、アイツからの手紙が来たからだった。

「それで、今日はどんな手紙が来ているの?」

嬉しそうに、見えない目で僕を見つめながら言う。

ここから、彼女は僕のことを浮気者の素敵なアイツと見立て、手紙を聞く。
< 4 / 19 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop