恋文
僕は息を吸い込み、ひとつひとつの言葉を噛み締めるように読む。

咲、元気かい?
俺は毎日咲が居なくて死にそうなんだ。
本当は俺が側に居ていなきゃ駄目なのに本当にごめんね。
あと少し、少ししたら、君に会いに行けるから。

僕は手紙を読み上げて、便箋にしまう。
勿論この手紙は彼が書いたのではなく、僕が書いたものだった。

恥ずかしい奴だ。
そんなのは分かっている。
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