恋文
僕と彼女がこのような関係になったのは、約1ヶ月前に遡る。

白血病と診断されて、アイツはさっさと咲の前から姿を消してしまった。
彼女の目が見えないことを良いことに。

だけど憎らしいことに、アイツは彼女に、必ず戻ってくるとほざいたらしい。
戻ってくる気なんかさらさらないのに。

その時、アイツが寄越してきた手紙を、俺が彼女に読んでやる。
「また手紙を送る」
と、嘘の言葉を並べて。

そうでもしなければ、彼女ともう一緒にいられないと思った。
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