恋文
「ねぇ、あの人は、いつになったら帰ってくるのかしら」

今まで、何度この質問をされただろう。
僕はまた、いつものように答える。

「すぐだよ。だって手紙に書いているでしょ?」

彼女は微笑む。
まるで、全てを見透かされているかのように。

「そうかなぁ」

そうだよ、と、僕は言う。
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