まさかあなたが私に恋をするとは


「え、でも…いいの…?」


遠慮がちに聞けば



「俺が買ってきて
勝手にあげるんだからいいんだよ
もらっといて?」


「あ、ありがとう…」


受け取った袋の中を
のぞけば、そこにはたしかにプリンが。


「んじゃ、俺行くわな
またメッセするから返事よろしく」


「う、うん!
ごめんね、ほんとにありがとう!」


「いいんだっつの、
時間ないから早く食えよ!」


それだけ言って、
彼は教室から出て行った。


「ゆ、ゆきの……」


「み、みさき……」


私たちは二人して状況が把握できず
しばらく口をパクパクさせていた。

そしてプリンの存在を思い出し
そっとひとすくい。


ぷるん。



「…おいし。」


「なんか…よかったね雪乃、
ようやく春が来ましたかねぇ。」


「!
そ、そんなんじゃないから!」
< 12 / 13 >

この作品をシェア

pagetop