まさかあなたが私に恋をするとは
「え、でも…いいの…?」
遠慮がちに聞けば
「俺が買ってきて
勝手にあげるんだからいいんだよ
もらっといて?」
「あ、ありがとう…」
受け取った袋の中を
のぞけば、そこにはたしかにプリンが。
「んじゃ、俺行くわな
またメッセするから返事よろしく」
「う、うん!
ごめんね、ほんとにありがとう!」
「いいんだっつの、
時間ないから早く食えよ!」
それだけ言って、
彼は教室から出て行った。
「ゆ、ゆきの……」
「み、みさき……」
私たちは二人して状況が把握できず
しばらく口をパクパクさせていた。
そしてプリンの存在を思い出し
そっとひとすくい。
ぷるん。
「…おいし。」
「なんか…よかったね雪乃、
ようやく春が来ましたかねぇ。」
「!
そ、そんなんじゃないから!」