まさかあなたが私に恋をするとは
まさか待ち伏せされるとは
美咲に散々からかわれ、
クタクタになりながらも部活へ向かう
部活中一つ下の河野さつきちゃんが
気になって気になって仕方がなかった
後輩たちに「今日の雪乃先輩、さつきのこと見過ぎ」と言われるまでに。
だって仕方がないのだ。
昼休み終わりからあのプリンの味が忘れられない。
別に特別なプリンではないし
コンビニに行けば自分で買えてしまう
…のだけど
そういうことじゃない。
さつきちゃんに、お兄ちゃんこの学校にいるのとまで聞きそうになった。
しかしもし妹だった場合
私が河野くんを気にしていると思われ
(いやあってるんだけども)
河野くんが私に好意がなかった場合
「うわなんだあいつ。
プリンあげたくらいで調子にのりやがって。これだから女ってのは。
ふうやれやれ」
なんてことになってしまったら
きっと私は恥ずかしくて土に埋まるだろう
そうこうしている間に部活を終え
午後6時すぎに校門で待ち合わせをしていた3人の元へ急ぐ。
そうだ。カラオケで思い切り歌って
気分転換をしよう。
マックの新しいフルーリーを食べて
プリンの味も忘れてしまおう。
そう頭を切り替えて早足で校門に向かう