まさかあなたが私に恋をするとは
「あき!うみ!
おはよ!ちょうどそっちに行こうと…」
「ちょっとゆきの!!!」
美咲が用件を話していた言葉を遮って
亜紀が声を荒げた。
「な、なになに。
どったの、あき。」
「どったの、はこっちのセリフ!
あんた河野と仲良いの!?」
河野。はて。
「河野って…どの河野?」
たしかバドミントン部の後輩にも
1人河野という子がいた気がする。
「うちのクラスのヤンキーの!
河野仁人(こうのじんと)!」
「えっ知らないよ!」
河野仁人。
正確には、名前は知っている。
ただ話したこともなければ
直接会ったこともない…はずだ。
「なんで急に河野くんが出てくるの?」
話を遮られた美咲は少し不機嫌な
声色で二人に尋ねる。
「いや、あたしらもよくわかってないんだけどさ…。今朝クラスで話してたら…」
戸惑い気味に海未が先ほどまでの
やりとりを思い出すかのように
話してくれた。