まさかあなたが私に恋をするとは
もやもやしたまま1、2時限目を終え、
3、4時限目の体育のために
着替えをしている時。
マナーモードにしていた携帯が
バイブ音を鳴らせた。
「河野くん?」
私より先に美咲が反応し、
一緒になって携帯を覗き込む。
『連絡先、クラスのやつに聞いた٩(˙▿˙)۶
追加よろしくな٭¨̮
E組の河野じんとです。』
「ぶっっ」
美咲が吹き出した。
私が笑ってはいけないと耐えていたのに
美咲は吹き出した。
「ちょ、これ。これ……
うくくく、顔文字可愛すぎ……」
「や、やめ……笑い堪えてるのに…
うはははっ」
顔文字。
あまりの似合わなさに思わず笑い出してしまった。
直接見た覚えがないので
なんともいえないけれど、
表示されたトップ画とホーム画からは
想像のつかないような顔文字。
何かの間違えだろうか。
単車に跨り、ピースをしながら
後ろから撮られた写真のトップ画。
友だちと誕生日祝いでなのか
豆腐を投げ合った後のような
くしゃくしゃの顔が並んだホーム画。
そしてこの顔文字…。
ふはっ。