プレゼント・2
美樹side
去年のクリスマス。

サンタが私にくれたプレゼントは、優しくてカッコイイ恋人。

私がお子様だからか、ゆっくりゆっくり愛を進めてくれている、とても優しい俊彰さん。

なぜか、俊彰さんの妹の楓花ちゃんは、
「騙されすぎないで下さいね(笑)」
と言ってくるのだけど。

なんでかな??

お仕事が終わってからの帰り道は、いつも手を繋いで、私のアパートまで送ってくれる。

帰り道のオシャベリも好き。

静かに歩いてる時も好き。

俊彰さんといると、自然体でいられるから不思議。

私には、勿体ないくらいの恋人。

そんな大好きな俊彰さんなのに。

今、私は、とても頭を悩ませている。

もう今は2月。

そう、バレンタインだ。

毎年、バレンタインは頭を悩ませる。

前は、一緒にお仕事をする先輩として。

今は大好きな恋人として。

なぜなら彼は……パティシエだから。

『カノン』で売られているチョコは買えない。

だって作ったのは、俊彰さん。

私の手作りは渡せない。

だって、絶対に俊彰さんのチョコの方が美味しいもの……。

本当に、どうしよう……。

バレンタインは、もうすぐなのに……。

ついついタメ息をついてしまうと。

「どうしたの美樹ちゃん。タメ息なんかついて。」
オーナーの茂樹さんが話しかけてきた。

「あ、すみません!仕事中なのに……。」
慌てる私に。

「今は落ち着いてる時間帯だから大丈夫だよ。それよりどうしたの??俊彰になんかされた?」
< 1 / 9 >

この作品をシェア

pagetop