イジワルなカレの愛情表現
「山口が話していた奴ってこいつだろ? なら取材はこいつを指名するから」
「え」
山口室長が話していたってなに? それよりも取材はこいつを指名するってなに!?
突然のことに頭の中がパニック状態に陥ってしまい、目の前で妖しく笑う彼を見つめてしまっていると、西垣さんと目黒さんが間に入って来るや否や、勢いよく話し出した。
「申し訳ないのですが、前島さんはちょうど今、沢山仕事を抱えているんです」
「そうなんです、だからこれ以上彼女の負担になるようなことは、先輩としてさせたくないんです」
普段はこれでもかってくらい意見が反り合わず反発しているというのに、今は耳と目を疑うほど息がピッタリだ。
これには隠居社員の木村さんも顎に手を当て、感慨深そうに「ほー」と声を上げちゃっている。
けれど今の私は木村さんと一緒に傍観者になれそうにない。
それにふたりが話すことは間違っていないから。
ちょうど今、来月掲載のキラリ☆社員の取材中だし、他にも細々と仕事を抱え込んでいる。
そんな中、永瀬さんの取材も……となれば、正直しんどい。
おまけにまだ入社してやっと一年目。広報のノウハウが少しずつ分かってきたばかりの私には、色々な意味で荷が重すぎる。
ひらすら混乱している中、ひとり冷静な山口室長が口を開いた。
「え」
山口室長が話していたってなに? それよりも取材はこいつを指名するってなに!?
突然のことに頭の中がパニック状態に陥ってしまい、目の前で妖しく笑う彼を見つめてしまっていると、西垣さんと目黒さんが間に入って来るや否や、勢いよく話し出した。
「申し訳ないのですが、前島さんはちょうど今、沢山仕事を抱えているんです」
「そうなんです、だからこれ以上彼女の負担になるようなことは、先輩としてさせたくないんです」
普段はこれでもかってくらい意見が反り合わず反発しているというのに、今は耳と目を疑うほど息がピッタリだ。
これには隠居社員の木村さんも顎に手を当て、感慨深そうに「ほー」と声を上げちゃっている。
けれど今の私は木村さんと一緒に傍観者になれそうにない。
それにふたりが話すことは間違っていないから。
ちょうど今、来月掲載のキラリ☆社員の取材中だし、他にも細々と仕事を抱え込んでいる。
そんな中、永瀬さんの取材も……となれば、正直しんどい。
おまけにまだ入社してやっと一年目。広報のノウハウが少しずつ分かってきたばかりの私には、色々な意味で荷が重すぎる。
ひらすら混乱している中、ひとり冷静な山口室長が口を開いた。